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IoT歯ブラシ、交換時期を通知
2020年10月01日
ライオンは歯ブラシ用に作ったネットにつながるIoT デバイスの予約販売を電子商取引(EC) サイトの「LOHAC0( ロハコ) 」 で始めた。ユーザー一人ひとりに寄り添いながら、ロハコとの間で相互にデータ連携し、新たな販売機会も見つける。
「クリニカ」はライオンが誇るロングセラーブランドだ。2014年からのマーケティング改革で、「予防歯科」を旗印にV 字回復してきた。新アイテムとして登場したのが、歯ブラシ用のIoT デバイス「クリニカKid’s はみがきのおけいこ」(税込み1 万2100円) 。子供用歯ブラシ「クリニカKid’s ハブラシ」の柄の下側に装着し、基本的に専用アプリと連動させて使う。
8月25日からアスクルが運営するEC サイト「ロハコ」で予約販売を始めた。
IoT歯ブラシは、これまでもサンスターやプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G ジャパン) などが発売していたが、まだ十分に市場へ定着しているとは言い難い。そこで最後発と言ってもいいライオンが焦点を当てたのは、歯磨きの習慣化に親が苦心している3~6 歳の子供市場だった。
「歯ブラシを渡してもいいかげんに磨いているから、虫歯にならないか不安」「結局、最後は子供を押さえつけて歯磨きを完了させる」小さな子供がいる家庭では、歯磨きに関してこんな悩みが渦巻いている。ライオンの調査によると、3~6 歳の子供を持つ母親の68% が「自主的な歯磨きが未定着」と回答しており、85% が「子供がきちんと歯磨きできるようになるか不安」と感じている。
そんな悩みを解消する仕掛けを盛り込んだのが、今回のはみがきのおけいこだ。
「これまで歯磨きの習慣化につながる商品開発、啓発活動を続けてきたが、一人ひとりに寄り添った習慣化サポートという点ではやりきれていない面があった」と、クリニカブランドマネジャーの横手弘宣氏。先行した他社のIoT歯ブラシの動向を見ながら、子供が使って本当に習慣化につながる仕組みは何か、顧客とつながることで販売機会をどう増やしていくか検討してきた。そこで得たデータを生かして顧客と深くつながり、ユーザーエクスペリエンス(ワクワクする体験) を向上する視点だ。
では、はみがきのおけいこで何ができるのか。まず、歯ブラシに装着する本体(IoT デバイス) には加速度センサーが内蔵されており、手の動き(位置や速さ) など歯磨きデータを検知する。そして連携するアプリと近距離無線通信の「Bluetooth」でつなぎ、磨き残しなどの判定を行う。IoTデバイスは単体で音声ガイドをできる仕組みで、たまった歯磨きデー夕は次回のアプリ起動時に転送される。
また、1つのデバイスで3人まで登録可能だ。
歯磨き習慣化に役立つ仕掛けは主にアプリ側にある。アプリは絵本型のコンテンツで、子供の好きな動物キャラクターをパ一トナーに選んで一緒に歯磨きを行うと、最後にご褒美アイコンがプレゼントされる。ここまではよくある仕掛けだが、はみがきのおけいこでは子供が自分で歯磨きを続けたくなる内発的な動機付けも用意されている。
子供に歯磨きの重要性を伝えることは容易ではない。そこで、動物キャラが毎回泥んこになったり、食べ残しを付けていたり、汚れた状態で登場する設定にした。
子供が歯磨きを進めると、動物キャラがシャンプーで洗われてきれいになっていくから「歯磨き= 気持ちいい」という意識が自然と芽生える。
歯磨き中は、動物キャラが「次は奥歯だよ♪」などと音声ガイドを行い、歯のイラストで都度磨くべき箇所が示され、子供でも正しい歯磨きを覚えやすい。歯磨き終了後には磨き残しがある部分が可視化され、100点満点のスコアも出る。「はみがきマスター」を目指したステップも細かく設定されており、一つ一つをクリアする成功体験の積み重ねにより、子供が歯磨きに前向きに取り組める。
アプリから得るデータは、子供の年齢とニックネーム、性別、兄弟の有無といった基本のプロフィル、
そして歯磨きの頻度や上達具合、親の関心度など。
これが判明するだけでも、歯ブラシの窓換タイミングの通知、子供の年齢や歯磨き実態に基づいたオーラルケアグッズの紹介などにつなげられる。アプリを通じて子供とコミュニケーションを取るのは、動物キヤラだ。「点数アップのコツを教えてあげるね」「歯ブラシ交換しよう」などと、子供の成長に合わせた適切なタイミングで投げかけを行っていく。アプリからはロハコの限定サイトに飛び、適宜割引クーポンを配布することで購買を促す。レコメンドの精度を上げるのが、データ連携だ。歯磨き行動データと、ロハコの行動・購買データを連携させることで、例えばレコメンド後、実際に購入されたかどうかを分析できる。