猫の虫歯予防するスナックー 広島大
2020年02月07日
猫の虫歯予防
広島大学は三井物産やペット食品メーカーのマルカン(大阪市)と協力し、猫の虫歯や歯周病を予防するスナック「ニャン太の歯磨き専用L8020」(実勢価格約200円、税抜き)を2019年9月に発売した。
スーパーやペット用品店で販売しており、猫が好むかつお味とまぐろ味を用意した。
広島大学の二川浩樹教授が発見した「L8020乳酸菌」を猫用スナックに含めた。
二川教授は虫歯になったことがない人の唾液からL8020を発見。口内にこの乳酸菌があると歯周病や虫歯になりにくい。人間が満80歳になっても20本以上の歯を保ってほしいとの願いからL8020と命名した。
猫は買い主が歯磨きをしてあげるのが難しいため、虫歯や歯周病になりやすい。L8020のスナックを与えることで予防につなげる。
特許は広島大発のスタートアップ、キャンパスメディコ(広島市)が保有し、15年度から三井物産とL8020の共同事
業を始めた。製品は人間と犬用の合計10種類以上がある。猫用は初めてで、猫に合わせて魚を主原料とした。猫用スナックはマルカンが製造している。
ペット用の歯磨きスナックでは、ペットがかんで歯垢(しこう)を除去できるよう硬めにすることが多い。ただ、猫は犬に比べてかむ回数が少ないため、スナックを細切りにしたうえに、やわらかくした。こうすると猫が丸のみせず、しっかりかんで食べられる。
二川教授は「将来はL8020で人間用のお菓子も開発し、歯科医院などで販売したい」と意気込んでいる。
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