入れ歯正しく使い健康に
2020年03月26日
食習慣改善や手入れに注意
歯周病や虫歯、事故などで歯を失い、入れ歯を使用する人は少なくない。
単に失った歯を代替するだけではなく、口内を健康に保ってフレイル(虚弱)
と呼ばれる心身が衰えた状態や糖尿病などの予防などにもつながる。入れ歯
の使い方に加えて、使用前の食習慣の見直しなども大切だ。
「歯が一本でもなくなったら、入れ歯やインプラントを作った方がいい」。東京医科歯科大学の水口俊介教授は話す。抜けたまま放置しておくと歯が動いてかみ合わせが悪くなってしまい、健康や寿命にも影響する危険があるためだ。
失った歯の代わりに入れる人工の義歯にはいくつかの種類がある。目前の歯が残っているときには両隣の歯を支えにかぶせモノをつなげセメントで固めるブリッジ、金属でできたバネを隣の歯に引っかけて支える部分入れ歯を使う。ブリッジは通常取り外しはできず安定するが、取り付けるため周囲の歯を削らねばならない。部分入れ歯は取り外しもできるがブリッジなど
に比べて安定度は下がる。また顎の骨に金属のネジを埋め込み人工の歯を取り付けるインプラントもある。しっかり固定できる一方、手術が必要で保険が適用されない。
すべての歯がなくなった患者は総入れ歯を使う。支える歯がなくって顎に吸いついているだけなので、訓練してうまく使いこなすことが必要だ。
新しい入れ歯を入れた後は、まず柔らかい食品から慣らしていく。最初はゆっくりと時間をかけてかみ、前歯が入れ歯の場合は奥歯からかみ始めるようにするとよい。
口の健康を保つことが病気の予防や寿命と深く関わっていることは知られるようになってきた。虫歯や歯周病だけでなく、入れ歯などの使い方や手入れにも注意したい。
義歯50代後半で半数超
義歯のお世話になっているのは高齢者だけではない。35~39歳でブリッジを中心に義歯の使用者が10%台にのる。55~59歳になると半数を超え、70~75歳になると4分の3が義歯を使用している。これからも更に高齢化社会になるので義歯も色々と変わって行くかも知れませんね ^^)
©日本経済新聞