元気のココロ
2020年07月01日
「歯に腫瘍」冷静に対処を
「歯原性腫寝ができています」。あまり聞いたことのない病名で、歯科医からこう伝えられるとびっくりするだろう。実は歯科では時々みかけ、それほど驚くものではない。
成長に伴い歯が形成される途中で下顎の骨の中に発生する。
20代以下の若い世代にできることが多い。
幸いなことに、ほとんどが良性腫瘍であり、悪性腫瘍の割合は1%程度とされている。歯原性腫瘍にはいくつか種類がある。
その中で最も多いのは「エナメル上皮腫」と呼ばれるもので、」歯の表面にあるエナメル質が形成されるときにできる腫瘍だ。
痛みはないが腫れてきて気づくか、
歯科でX線検査を受けて発見されることが多い。
歯原性腫瘍の治療は、一般に腫瘍を除去する手術が行われる。
ほとんどが良性腫瘍であるものの、再発する場合もある。頻度は非常に少ないが、再発を繰り返すと悪性化する場合がある。
手術の方法は、摘出術のほか、顎の骨の切除、歯肉を開く認競療法など、いくつかある。発育途上では年齢、腫瘍の種類や場所を考えて手術の方法を決めることが多い。手術といわれて驚き、痛みがな
いこともあって通院が途絶えて、さらに大きくなってから来院する患者もいる。大きくなると、さらに手術が大変になってしまう。
歯原性腫瘍を予防することはできない。だが、かかりつけ歯科を決めておけば、発見しやすくなる。
©日本経済新聞