かかりつけ歯科で安心感
2020年12月22日
8020という数字
口腔の健康状態が良く保たれている人は、生活自立度が高く長寿になる傾向が知られている。
「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という8020運動が1989年に提唱され、自治体や歯科医師、国民の努力により口の中の健康は良くなった。
これは歯が残っている人の話と思われがちだが、噛み合わせがうまくいっているかどうか重要になる。義歯となり柔らかい食事が中心となっていても、かみ合わせが安定していることが大切だ。また、子供のむし歯では、厚生労働省などの調査によると、1980年代には90%以上にむし歯がみられたが、最近はむし歯になったことがあるのは、顕著に減っている。歯の健康を維持する上で大きな役割を担うのはかかりつけ歯科医でありその役割は重要だ。
高齢者を対象にした統計には、かかりつけ歯科の有無が生活自立度に関係することを指摘するものもある。口の中の全体を自分で見ることは不可能であり歯についても同様だ。かかりつけ歯科でこまめにチェックすれば、症状が出る前に不具合がみつかり早期に対応できる。以前と比較すると、そもそも歯の状態が良い人は多くなった。
仕事や日常生活が忙しいなかでは、歯科受診をしてなくても不便を感じないかもしれない。しかし、歯の不具合は突然やってくることが多いものだ。詰め物が外れたぐらいならまだ良い。だが、前歯の差し歯がとれた、転んで前歯を損傷した、義歯の支えの歯が取れた、急に激痛が起きたという場合は、待ったなしである。
かかりつけ歯科がない人は、何らかの理由で歯科を避け、疎遠になっていることが多いのではないか。過去に治療で怖い思いをした、どこに行けばいいかわからない、などが想定される。差し迫った状態になってから探すのは、さらに心のストレスになる。
痛くなってから歯医者さんに行くことが多いので、急な時にも安心して受診できるように、普段の余裕があるときに歯科受診をしておいた方がいいですね